あざみ野FC・OB列伝 その82020.12.31
35期生(2016年卒団)~ 39期生(2020年卒団)
35期生から39期生にかけての5年間は、各カテゴリーで多数の入賞を果たした。2017年の春季市大会では11年前の国チビ以来となるU8・U10・U12全カテゴリーで決勝進出となったが、前回同様それぞれ苦杯をなめさせられた。シルバー・コレクターの色彩が強かったこの期間、2・4年時に鳴かず飛ばずだった38期生が6年時春季市大会で優勝。U-12カテゴリーの公式戦では28期生の市長杯以来となる頂点となった。
この期間、ジュニア年代で大きな変化となったのは、2015年度からJFA U-12リーグが始まったこと。神奈川県は未だ地域別のリーグ戦に留まっている他、短期間での試合消化になっているものの実力が浮かび上がるリーグ戦が始まったことは大きな一歩となった。そしてU-12リーグが始まったことに伴い、全日本少年サッカー大会(2017年から全日本U-12サッカー選手権大会)は年末の開催に変更された。
また、この5年は世相を反映し、卒団生数がその前の5年比で25%減少した。年少人口(15歳未満の人口)が横浜市青葉区でピークをつけた2007年から10年となり、当クラブにも少子化の影が忍び寄ったと振り返られる。
2016年に卒団した35期生は、チーム力で頑張った代。
2年時は公式戦で入賞できなったが、4年時国チビで3位と初の入賞。6年時は市長杯での早期敗退をバネに個々がレベルアップし、春季市大会3位、チャンピオンシップでは「関東大会」にあと一歩の4位と結果を残した。初回となったU12リーグは横浜地区後期Sリーグで5位。
4年時からセンスを伺わせたGK金子晃輔、向こうっ気の強いドリブラー吉良優音、スピードが魅力の梶山望亜、キックの精度が高い奥崎玲音、体格に恵まれたディフェンダーの秋山凌也と小島慈央等がチームを引っ張った。
2017年卒団の36期生は個性的な選手が多く賑やかだった代。
2年時は春季市大会、国チビでいずれも3位、4年時は春季市大会4位、県選手権4位、5年時は市長杯4位となかなか公式戦でファイナルに駒を進めることを果たせなかった。6年時U-12リーグ横浜地区後期Sリーグではその後も含めた歴代最高位の2位となった。その勢いで国チビでは初めて決勝の舞台に立ち、Sリーグ1位の横浜FMプライマリーと互角に闘ったが一瞬の隙を突かれ準優勝。
ボール回収能力の高いドリブラー中山織斗、小柄ながらボールが収まるファルソ・ヌエベ許田新太、玄人好みのパサー堀野辺空、ゴール前の嗅覚に長けた森脇理智等の攻撃陣は自由人。一方、ポジティブな声でライン・コントロールをしたキャプテン岡村悠太郎、エースキラー本澤翔、横に強いGK金子遼等の守備陣は我慢強く、U-12リーグ後期Sリーグが終わってみるとマリノスと並ぶ最少失点(9試合で4失点)の金字塔を打ち建てた。
2018年に卒団した37期生は勝負強かった代。
2年時の公式戦入賞はなかったものの、4年時春季市大会4位、国チビ準優勝。6年時は春季市大会、国チビともに決勝で横浜FMプライマリーと当たり、苦杯を喫することになった。その間、アントラーズカップU12では過去最高位となる準優勝。U-12リーグ横浜地区後期Sリーグは4位。着実にチーム力を上げて臨んだ全日県予選では、準々決勝と準決勝をPK戦でくぐり抜け勝負強さを発揮。全学年の後輩たちによる応援とTVカメラが回る中で行われた決勝戦の相手は川崎フロンターレ。前半途中まで1-1で食い下がったが、川崎Fの多彩な攻撃に翻弄され、全国への切符は掴みきれなかった。しかしながら、最後の公式戦となる県選手権でも4位となり、6年時の公式戦ではチャンッピオンシップ(R16で惜敗)以外の全ての大会で入賞し、金井貢史と水沼宏太を擁した21期生以来の偉業を成し遂げた。
前年度に飛び級でレギュラーを掴んでいたキャプテンのDF國枝蒼空、同じく飛び級していたGK堀尊成、危険察知能力が高い田中脩斗を中心とした守備陣や、無理が利く身体を持つ橋本拓人、希代のプレースキッカー島渕世那、中盤でアクセントを付けた海藤新太、身体能力に恵まれた鈴木凜、急成長したサイドアタッカー奥村海生等の多彩な攻撃陣だけでなく、控えの選手も含めてアベレージが高い代だった。
2019年卒団の38期生は最後の1年で大きく変わった代。
2・4年時の公式戦では入賞がなかった他、マリノスカップU-10でまさかの最下位、5年時ガチアーズカップでブービーとなり、10数年ぶりに厳しい代となることが頭をよぎった...が杞憂に終わった。5年時の市長杯ではR32でバディーSCに競り勝った他、準決勝では横浜FMプライマリーにスコアレスドローのPK戦に持ち込むなどで4位初入賞を果たした。6年になると待っていたのは、高校サッカー常勝校での経験を持ち込んだOBコーチによる有酸素運動トレーニング。走った量と質ならどのクラブにも負けないと自負できたこともあり、6年時春季市大会で頂点に立った。決勝ゴールとなるループシュートを決めた後、しんよこFP土手の応援団に向けた#10の雄叫びは、関係者の目に焼き付いたモーメント。U-12リーグ横浜地区後期Sリーグは8位。
体幹が強いレフティー/キャプテンの埜口怜乃、足下の技術が高いGK和田薫空、外国人のようなしなやかな身体を持つ水畑優叶、相手の意表を突くプレーが好きな長田哲治、パワフルなレフティー駒ヶ嶺知希、身体を張れるDF小野崎樹、FKで魅せた小田嶋瑠海等がチームを引っ張った。また、6年時合宿の肝試し@M神社では、怖かったで賞を決めるのに困るほど、ビビリーが多い代であった。
2020年に卒団した39期生は我慢強かった代。
2年時の公式戦入賞はなかったが、4年時春季市大会では決勝に駒を進めた。バディーSC戦との攻防は延長にもつれたが、残り2分のFKに泣き、惜しくも準優勝。チャンピオンシップU-10ではR8で優勝したSCH FCにPK戦で競り負け。6年時春季市大会は、準決勝で横浜FMプライマリー相手にスコアレスドローの末のPK戦を落としたが3位入賞。続くチャンピオンシップU-12では、3位決定戦でJFC FUTUROに競り負け、関東大会出場を逃した。U-12リーグ横浜地区後期Sリーグは5位。
CBとして存在感を示した新井田健介、基本技術が高くポリバレントな佐伯優斗、真面目なキャプテン今井太貴、切れのあるドリブルで相手ゴールに迫る日比野修吾、裏に抜けるスピードが魅力の澤優月、FKキッカー大垣慶太等が引っ張った。
この代は、合宿お楽しみ会でのレベルが高く、優勝班のフレディー・マーキュリーは近年で最も印象に残るパフォーマンスの一つとなった。また、卒団間近に新型コロナウィルス感染が世界的に広がる中、2月末以降の活動自粛~終には卒団式も中止となり、言葉では言い表せない形の卒団となったことが忘れられない。