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あざみ野FC・OB列伝 その52010.10.12

 ―21期生(’02年卒団) ~ 25期生(’06年卒団)―
21期生から25期生にかけての5年間は、2002年に日韓共催のワールドカップが開催され、日本も決勝トーナメント進出を決めるなど、日本中のサッカー熱はいやが上でも高まり、少年世代のレベルも大きく向上した時期であった。あざみ野FCにおいても、夏の全国大会出場こそならなかったが、チビリンピック全国準優勝、冬の選手権、郡市対抗でそれぞれ優勝を重ねるなど、神奈川県のトップレベルを維持し続けたといえる。一方、ライバルという点では、マリノス以外にバディ、SCHなどしっかりとした組織と指導者を擁したクラブチームが台頭し、SCHは全国大会出場を果たしている。
また、この5年間に卒団した選手たちは、現在Jリーグ、大学の体育会、全国大会を目指す強豪高校でプレーを続ける選手が多くおり、あざみ野FCの名を全国区へと導いている。
‘02年に卒団した21期生は、タレントという面では、最強といわれた17期生に勝るとも劣らない逸材ぞろいであった。現在Jリーグに在籍し年代別日本代表にも選出されている金井貴史、水沼宏太を筆頭に、当銘裕樹、奥山正洋、毛利友佑 、青木祐京などJリーグの下部組織へ進んだ選手が7人に上り、そのほか部活を経て現在大学リーグで活躍する阿部悠紀や佐藤幸介など、市の選抜選手に選ばれてもあざみ野では控えに回ることがあるなど、競争意識も強い学年であった。また現在市内の黒滝FCでコーチとして活動している溝渕陸も、FWとGKをこなす貴重なサブメンバーであった。
この21期は4年生秋の国際チビッ子でAが1部、Bが2部でダブル優勝という皆で喜べる成績を上げ、また低学年の全国ベースでは最も強豪の集まるマリノスカップで優勝している。
最高学年では、全ての公式戦でBEST4に進出し安定感のある戦いを見せたが、夏までの前半に主力の水沼宏太、三浦拓也などが怪我で出場できず、全日本予選も含め優勝に手が届かず、ブロンズコレクターになるかと思われたが、戦力がそろった最後の県大会では見事優勝し有終の美を飾った。
この年度の特筆事項として、あざみ野FC初の海外遠征が上げられる。これは日韓共催のWCに向けて、横浜市と釜山市の青年商工会議所が主催し、韓国の大邸で交流試合を行ったものである。2泊3日の遠征では、韓国代表やソウル代表などと試合を行い、サッカーのみならず隣国の同世代の選手たちと大いに友好を深めた。
‘03年に卒団した22期生OBには、前年度の強豪チームに5年次で加わった、吉善俊介、松岡淳、テクニックに優れた佐竹陸、スピード豊かな籾山健などが在籍しており、レベル的には決して低くなかったが、Lでの公式戦では好成績が残せなかった。しかしこの年代のOBの多くは、中学、高校でもサッカーに熱中し、あざみ野時代控えだったGKの引場大地は中学で川崎選抜に、国井龍太(星陵)、筑田元(流通経済)、籾山健(高川)は遠く県外の高校に進学し活躍した。
現在、大学の体育会サッカー部では、前述の籾山(甲南)、佐竹(同志社)、松岡(慶応)のほか、山口快人が青山学院でプレーを続けている。
‘04年に卒団した23期生は、5月に横浜スタジアム(現日産スタジアム)で開催された全国8人制大会(チビリンピック)において、見事準優勝に輝いた。攻撃の中心は現VERDY の高木俊幸であり、スピード、テクニックに優れハートの強さはこの時代から際立っていた。そのほか、左利きのテクニシャン、中俣雄貴、滝澤士穏、守備の中心としてチームを統率した脇屋慶、強烈なシュート力を持つ平山優人、スピードスター登内勇気など多士済々なメンバーが在籍していた。Lでの成績としては、チビリンピック準優勝以外県、市での公式戦ではタイトルには縁がなかった。卒団式でキャプテン脇屋が語ったように、ほとんどの大会でマリノスに苦杯を喫し、最高成績は秋の市大会で延長の末マリノスに3-4で敗れた準優勝であった。また、この年代のOBも県内外の高校でプレーした選手が多く、県内では、滝澤(東海大相模)、登内(桐蔭) に加え、努力家の勝部創大(川和)などが、3年次の全国大会神奈川予選パンフレットに名を連ねていた。また、県外では高岡暁人、平山(ともに上田西)、滝野将成(高川)などが選手権目指して活躍した。
‘05年に卒団した24期生は、近年では最も全国大会出場に近かった世代である。中心選手はなんと言っても現VERDYの高木善明であったが、その他にも抜群のテクニックを誇った牧野修造、左右両利きドリブラー吉田周平、目を見張るキック力を持った平間駿、ガッツあるGK峯達也、戦術眼に優れたMF山口廉史、キャプテン渡辺元貴、ごっつぁんゴールの石谷彰吾など、実力的には神奈川ナンバー1、全国レベルでも上位にランクされるといっても過言ではなかろう。成績的にも郡市対抗(現CS)、秋の市大会ではマリノス、バディを下して優勝を果たし、全日本予選決勝で惜敗したマリノスが全国大会で優勝を遂げていることを見ても、この年代の実力が裏付けられる。その全日本予選決勝も、エースの高木が成長痛のため本来の力を発揮できなかったことを考えると、めぐり合わせとはいえ本当に惜しかったという思いが今でも残っている。これだけの実力を持ったメンバーだけに卒業後もさまざまなステージで活躍し、上記選手のほかにも、藤坂淳平、大野琢也、黒木海人、西村未来、小田恭平などが県内外の強豪校で冬の選手権出場を目指している。
‘06年に卒団した25期生は、ドリームチームの後だけにやや小粒になった感は否めないが、春の市大会はSL,LL、L時代とも制し、郡市対抗でも優勝している。全日本予選はバディにPK戦で敗れベスト8で終わったが、全国優勝を果たしたマリノスに対しても常に拮抗した試合を行うほど実力的には遜色がなかった。中心選手としては、後にマリノスに進んだレフティ用之丸将也、兄譲りのサッカーセンスを持った金子雄祐、GK以外どこでもこなせる涌川徹郎、トラップミスをカバーしてしまうスピードを持った望月拓哉、沈着冷静な阿部恭吾などであった。この学年も卒団後サッカーを続ける選手が多く、長澤圭吾、吉田拓平は桐蔭中学で全国大会優勝のメンバーとなり、阿部(千葉国際)、岩澤雅弘(静学)、藤川尚真(明徳義塾)らが家元を離れてサッカーを続けており、藤川は今年のインターハイでGKとして全国デビューを果たした。